六価クロムとは一体どんな物質?
健康への影響は?
六価クロムについて環境基準や処理方法など
交えながら詳しく解説します。
先日、東京都の江戸川区の歩道の排水溝から
基準の3000倍以上の六価クロムが検出された
というニュースがありましたよね。
でも六価クロムってあまり聞かない物質
ですよね。
六価クロムとは一体何なのでしょう?
六価クロムとは
六価クロムとは、重金属の一種でクロム化合物の内
酸化数が6価のものを言います。
クロムの酸化数は6価と3価があり、人の
必須元素であるクロムは3価の方です。
3価のクロムは三価クロムと言い、サプリメントなどに
使用されています。
地球上には、3価のクロムか単体(クロム金属)で
存在していて単体の方は、鉄と合金させてステンレスとして
使用されています。
六価クロムは毒性が非常に強く、代表的な六価クロムの
二クロム酸カリウムは赤茶色をしており、致死量は
0.5から1グラムだそうです。
六価クロムは何に使われている?
六価クロムは酸化性を持つことから、水に溶ける
二クロム酸カリウムや三酸化クロムは酸化剤として
用いられたり、クロムメッキにも使用されています。
また、水に溶けない六価クロムの化合物は
例えば、クロム酸鉛は黄色の顔料として使われます。
玩具などのプラスチック製品の色づけには
こうした重金属が用いられることが多いです。
六価クロムの健康への影響
上にも書いたように六価クロムは非常に
毒性が強い物質です。
そのため健康への影響は非常に
甚大なものになります。
強い酸化翔があり、皮膚に付着すると
炎症などを起こします。
また、蒸気を吸い続けると、鼻中隔穿孔といって
鼻の穴の壁に穴が開き2つの鼻の穴が繋がる
ということにもなります。
長期間吸い続けると、呼吸器機能障害になり
やがて肺がんになるようです。
また六価クロムは消化器系にも影響を及ぼし、
貧血、肝機能障害、胃がん、大腸がんにも
なるらしいですね。
六価クロムの健康への影響は大きいだけに
気をつけたいものです。
六価クロムの環境基準
六価クロムの環境基準は、水質汚濁防止法では0.05㎎/ℓ以下、
土壌汚染防止法では0.05㎎/ℓ(検液)以下、玩具の安全性の
ヨーロッパ基準では玩具1キロクラム当り60㎎以下というのがあります。
水質汚濁防止法の環境基準は、汲んできた水1ℓの中に
六価クロムは0.05㎎までしか入ってはいけません
という意味です。
土壌汚染防止法の環境基準は、その法律で決められた方法で
つくった水(検液)の中に、六価クロムは0.05㎎までしか
入ってはいけませんという意味です。
六価クロムの処理方法
六価クロムはそのままでは、毒性が強いので
通常は還元という化学作用で3価のクロムにして
処理します。
例えば、汲んできた水に基準以上の六価クロムが
入っていたとします。
その場合、還元剤を用いて六価クロムを
酸化クロムにして、中和凝集沈殿法などの
処理法を用いて、水の中から六価クロムを
除去しています。
玩具などは焼却炉で燃やしますよね?
そうすれば、焼却施設の洗煙設備の洗煙水に
六価クロムが入って来ますので、上のような
処理を行います。
という具合に処理方法は非常に簡単なものに
なっています。
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